商社営業としてだれにも負けない人脈を構築
~インタビュー記事~
昭和51年卒 松下 章
2025年7月26日掲載
昭和51年卒 松下 章
2025年7月26日掲載
この「私の経歴書」は、関西錦陵会の先輩や後輩の仕事(現役あるいはリタイア前の仕事)について紹介するコーナーです。仕事についての話は、趣味の話と同様、情報交換にもなり盛り上がりますね。また、異業種のことを知る良い機会にもなります。しかし、ふだんの活動だけでは、仕事についての詳しい話を聞く時間はなかなかありません。そういうわけで、このコーナーでは、いろんな仕事をされている会員の方に話を聞き、少しだけ、プロの業界をのぞいてみたいと思います。
今回の「私の経歴書」インタビューは、昭和51年卒の松下 章さんです。松下さんは、大学卒業後、専門商社に就職した後転職し、ある大手商社系会社に就職。営業として、BtoB(企業間の取引)による商品販売に携わって来られました。40年間にわたる松下さんのキャリアや強みについて語っていただきます。
編集部:今日はお忙しいところ、お時間を取っていただきありがとうございます。さっそくですが、松下さんはどんなお仕事をされていたんですか?
松下:商社営業でBtoB形態の企業間取引での商品販売をしていました。
編集部:なるほど。
ちなみに、「商品」というと、具体的にどんな商品を販売されていたんですか?機械とか、食料品とか…
松下:石油を原料とするプラスチック(合成樹脂)製品の販売となります。プラスチックと言っても色々な種類があり、また使用される用途は多岐にわたっています。私が携わっていた製品としてはフィルム製品が主となります。
編集部:「商社」というと、一般的に「カッコいい」イメージがありますが、実際に何をしているのかよくわからないという人もいるかもしれません。とくに、これから就活をしようとしている人などもそうですね。「商社」を一言で説明するのは難しいと思いますが、どんな仕事をしているんですか?
松下:学校で習ったかもしれませんが、日本は加工貿易国家と言われていたように原料材料を色々な加工製品に変化させることによって、輸出貿易で成り立っている国家です。それらの製品を市場に上市させる(市場に投入する)ためには、1社ではできない加工製品を複数社の手で完成させる必要があります。その、橋渡し的な活動をするのが「商社」と言えば理解しやすいかもしれませんね。
編集部:なるほど、そういうことですね。ご説明ありがとうございます。
ところで、どうして商社の仕事を選ばれたのかお聞かせください。
松下:私自身、出身が文系であったため、何らかの商品販売を主とする仕事になるだろうとのイメージを持っていました。「商品販売」となれば、「メーカー」か「商社」ということになりますが、メーカーの場合は自社製品の販売しかできないところがあります。しかし、商社であれば、いろいろな商品をそのまま販売することもできるし、それを別の形や顧客の求めているような形に変えて販売することもできます。私の場合、そこが決め手でした。それで、商社を選んだんです。
編集部:つまり、メーカーでの販売よりも大きなスケールでの展開になるわけですね。その分、大変なところもありますよね。商社の仕事でいちばん大変だと思われるところはどこですか?
松下:販売している商品が他社製品と比べて何が異なるか、メリット・デメリットは何か?そういうところを理解した上で、いかに付加価値をつけて販売できるかというところですね。また、商品を販売するうえで、関係者との人間関係・信頼関係をいかに構築するかという点も大切な部分となります。
編集部:大変そうですね。もうその仕事をやめたいと思ったことはありますか?
松下:ありますよ。人間関係を構築するうえで、相手の人間性に関して不信感などを感じたこともあり、そのときはかなりしんどかったです。
編集部:そうなんですね。人間関係の問題はけっこうキツイと思います。でも、それを克服されたから今に至っているわけですね。よかったら、それをどのように克服されたか、聞かせていただけますか?
松下:人それぞれ長所をもっており、その部分を見ることでその人の短所を打ち消すように意識して業務に取り組むことにしたのです。これは、高校生の時に生まれ育った地域から更に大きな生活圏に変化した時に、新たな人との出会いの時に、自分で考えた人と人との付き合い方のベースにしていたものです。
編集部:「長所を見て短所を打ち消す」。いい言葉です。いいアドバイスになりますね。ところで、仕事のうえでの失敗談などがあればお聞かせください。
松下:あまりなかったと自覚していますが…
編集部:さすが、優秀だったんですね。そこを曲げて、なんとか思い出してください(笑)。
松下:あえて言えば、若かりし頃、競合社の商標で説明してしまったことがありました。
編集部:というのはつまり… カンタンに言うと、提案などのプレゼンをするときに、「このプーシャの商品は…」というところを「このナパニソックの商品は…」というふうにやっちゃったとか?
松下:それに近いですね。
編集部:で、どうされたんですか?
松下:もちろん、速攻で訂正しました。
編集部:商社の仕事でもっとも「やりがい」を感じるのはどういうところですか?この仕事をしていてよかったと思うのは?
松下:不具合などの商品クレームが発生したときに、いかに対応するかというところですね。
編集部:「クレーム発生」がやりがい?それは一体どういうことなんでしょう?
松下:トラブルが起こることで、逆に、自身の存在感をアピールできるからです。クレームでの対応がその後の人間関係の構築に繫がるわけです。
編集部:つまり、クレームに真摯に対応することで、相手の人にも「きちんとやってくれた」という誠意が伝わり、お互いの人間関係が深まるということですか?
松下:そうです。だから、クレームはチャンスとも言えるのです。
編集部:なるほど。深いですね。ところで、商社で仕事をするうえで、「これだけは人に負けない」というご自分自身の強みは何ですか?
松下:この道40年という専門分野での自分の「存在感」はあります。なので、自分が販売している企業の製品の競合メーカーともいろんな話ができるわけです。たとえば、業界全体の動きであるとか、将来像や海外品との競合といった話ですね。ややもすれば、独占禁止法に抵触してしまう可能性があるような人間関係などもあります。
編集部:なんかすごいですね。どんな「人間関係」なのか興味がありますね。
松下:そこはちょっと詳しくは語れません。
編集部:そうですか…。では、また関西錦陵会の活動でお会いしたときにでも詳しくお聞きたいと思います。ともかく、「人脈」のすごさが伝わってきますね。
松下:自社グループ内においてこの分野に関しては、知識・人脈はだれにも負けないという自負はあります。
編集部:さすがですね。
ところで、同じ業界にいる若い後輩たちにアドバイスするとすれば、どういうところですか?
松下:基本的なことを身につけるということを行いながら、失敗を恐れずにチャレンジしていくこと。周囲を見ながら何がベターでありベストであるのかの判断を自身の頭の中でシュミレーションしながら進めて行くこと。多くの情報を収集しながら、いろいろな角度・立場からその物事を見ることを常に意識して答えを導き出すということですね。
編集部:ありがとうございます。今は仕事のほうもリタイアされているようですが、人生100年時代と言われるこの時代に、仕事で培った経験を活かして、なにかやりたいと思われることはありますか?
松下:現役時代の人脈を活かしながら、これまでと同じような仕事に携わっていきますが、どちらかというと、アドバイサー的ポジションになると思います。具体的には、BtoBの仕事に+αしたBtoCにも展開できる商品開発についての助言や補助という活動になります。そこに、これまでの自分のキャリアや強みを活かせるのではないかと思っています。
編集部:最後に、この記事を読んでくださっている関西錦陵会のみなさんに向けて、なにかメッセージをお願いします。
松下:少しでも良いので、できるだけ仕事や日々の生活の中で役に立てるような話をそれぞれの立場から発信してほしいですね。そうすれば、少しでも誰かの役に立つのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
編集部:松下さん、今日は貴重なお話をありがとうございました。
編集部では、会員のみなさんの仕事についての話をお聞きしたいと思います。「私の経歴」のテンプレートをダウンロードしていただき、そのなかの質問にお答えいただき編集部あてにお送りください。なんどかやりとりをさせていただいた後、インタビュー記事として掲載いたします。